またしても同じタイプに

心を惹かれる相手に巡り合うこともなく、1対1でのトークタイムもいよいよ最後の一人となり、席を移動して僕は唖然とした。またしてもショートカットのキャリアウーマン風の女性。初めの結婚で失敗したカミサン、最初の婚活パーティーカップルが成立してしばらくお付き合いした女性、そして前回のパーティーでも心が動いたものの玉砕した女性。

僕にとっては同一人物かって思えるほど同じ雰囲気を持った女性だったんです。もちろん全くの別人だし、誰が見ても全然違う顔ですよ。でもね、何て言ったらいいのか…、独特の雰囲気っていうか匂いっていうか、僕にとっては正に鬼門って感じのショートカット女性なんですよ。僕の「びっくり顔」を不思議に思ったのか「どこかでお会いしましたっけ?」と、前回の女性と同じことを聞かれてしまった。

時間も限られているので、できるだけ簡単に僕の「びっくり顔」についての説明をした。彼女は「へぇー、そうなんですか」と言って笑った。そして「私も家庭よりも仕事が命ってタイプに見えますか?」と聞いてきた。僕はどう答えていいのか戸惑いつつも、「わかりません。でも、そうじゃなければいいなって思ってます」とワケのわからない返答。

「さあ、どっちでしょう?」と、彼女はからかうように笑っている。飲み屋の女性に年を聞いて「いくつに見える?」って話じゃないんだから、ハッキリ言ってよぉーって感じ

そんなことをしている内に1対1のトークタイムが終了してしまった。びっくり顔の説明で思った以上に時間を使ってしまったことを後悔…。1対1のトークタイムは終了してしまうけど、まだ話すチャンスはある。「この後のフリータイムでまた絶対に話しましょうね。約束ですよ」と言うと、「はい。その時はちゃんと答えますネ」と言って笑った。早くフリータイムが始まらないかな…、と思っていたらまた携帯が震えた。

また童顔美少女ちゃんからのメールだった。「ステキな人はいましたか?私は今日はドライブデートです。お天気が良くって気持ちいいです」と、またまた写メ付きのメール。とりあえず、フリータイムである程度の決着をつけなければ…。

メールへの返信はせずに、そのままポケットにしまった。