答えはどっち

3度目にして今回ほどフリータイムが待ち遠しかったことはなかったね。自分の中では「絶対にもう好きになっちゃいけないタイプ」と思っていた人にまた巡り合ってしまうなんてネ…。まあ、このタイプが全員「家庭より仕事命」っていう人ばかりじゃないってことは分かってるんだけど、ことごとく同じタイプで失敗してるからネ…。

最初の婚活パーティーカップルになった女性もそうだったけど「恋愛するだけなら最高の相手」ってなっちゃうんだよね。たぶん、別れたカミサンも「恋愛」だけなら文句のないパートナーだったと思う。

でも、子どもを作って家庭をつくるよりも仕事を選んだんだ。失敗を繰り返さないために、2度目のパーティーで会った女性には「仕事と結婚」の話を真っ先に聞いた。そして玉砕した。今回出会ってしまった、「出会ってしまった」なんて言うと語弊があるかもしれないけれど、あまりにも似たタイプ過ぎてネ…

一目見て心が惹かれたことは事実だし、向こうがよければお付き合いしてみたいと思っている。でも、同じ失敗を繰り返さないためにも越えなければならない関門がある。仕事と家庭、どっちが大切かってことを聞かなければ前には進めないから…。

いよいよフリータイムが始まった。僕は迷わず彼女の元へ行った。
僕は「何だかごめんね。焦ってるワケじゃないんだけど、僕にとってはとっても重要なことなんだ」と言った。「私の方こそ、変に焦らしちゃってごめんなさい。さっきすぐに答えればよかったんだけど、必死に聞く顔が面白くってつい…」と言って笑った。

「そんなに必死な感じでしたか?」
はい。怖いくらい…」と言ってまた笑う。
「でも、大切なことですよね。気持ちはとってもよくわかります。ここは結婚相手を探すために来ているんだから、求める条件を確かめるのって大切ですよね。」
「それで、答えは…?」
ハッキリ言って仕事には全然執着してません。実家から離れて一人暮らしをしてるんで、食べていくためには仕事しなくっちゃいけないけど、男の人に負けたくないとか、出世したいとか、そういうのって全くないタイプです。見た目でバリバリ仕事してそうって思われるみたいですけど、実際は真逆でいつも失敗ばっかりですよ。

笑顔で話す彼女の言葉を聞いて、僕は放心状態のようになっていた
「あははっ。よかった。よかった…。」
泣きそうになるくらい感動している自分…、アホみたい。

後で考えるととっても恥ずかしい光景です。