おれは最低な男です…。

遅れましたが、二兎追うものは?(2013-01-28) の続きです。
今日は少し長めです。
それではどうぞ。


「童顔美少女ちゃん」とは約束通りの時間に会うことができ、彼女の希望通り「お酒の飲めるトコ」に向かった。2度目の婚活パーティーで会ったきりだったけど、その間毎日メールをしていたのであまり久しぶりっていう感じがしない。「そう言えばこの前のパーティーはどうだったんですか?ステキな人とカップルになれたんでしょ?」と悪戯っ子のように笑った。「うん。まあ、とりあえずはカップルにはなったけど、どうかな。」と真相とは裏腹なことを言う自分にチョットだけ嫌悪感…。「それより、そっちはどうなの?この前カップルになった人とはうまく行ってるんでしょ?」と聞くと急に彼女の顔が曇った。「実。は、今日はそのことで聞いて欲しいことがあるんです…」そう言って彼女は、その男性とのことを話し始めた。

内容はと言うと、その男と言うのが「超」が付くほどのマザコン男だっていうことだった。短期間のことなのに「キモイ」行動や発言のオンパレードって感じ。「こればっかりは他人がどうこう言う問題じゃないのかもしれないけど、きっと結婚してもツライ思いをするだけなんじゃないかな…。」と僕の素直な感想を言った。「ですよね。」と彼女は言い、さらに「実は、今日相談してから自分の気持ちを決めようって思ってたんですけど、昨日別れたんです」と笑って言った。びっくりする僕の顔を見て彼女は「昨日メールで、もう会いません。って言っちゃった」とかる〜い感じで言った。
「そうなんだ。じゃあ、今日の相談事は無くなっちゃったってことだね?」
「はい。ごめんなさい。でも、どうしてもまた会いたいって思ったから…。」
「大丈夫だよ。僕もまた会いたいって思ってたから。」
あ〜あ、言っちゃった。
完全に「悪魔の心」が勝ってるじゃんよ。最低だ。でも、もう止められなかったんだよね。酔った勢いも手伝って、その日は結局一緒に朝を迎えることになってしまった…。どちらからともなくそんな雰囲気になり、長いこと付き合ってきたカップルのように自然な感じでホテルに行ってしまった…。
美穂さんに対する大きな裏切りだってことは十分わかってるんだけど…。

夜明け前に一度目が覚めた。
隣を見ると、化粧を落としてさらに子供っぽい顔になり幸せそうに眠っている童顔美少女ちゃんがいた…。童顔美少女ちゃんと書いてきたが、彼女の名前は彩ちゃん。(こちらもフルネームは控えます)年齢は31歳、もちろん結婚歴なし。パット見なら高校生でもいけるだろうってくらいの童顔で、身体も小さいく自称150センチだけどホントはもっと小さいだろうと思ってる。

2度目の婚活パーティーの時、カップルにはならなかったのに、ひょんなことから一緒にお茶して、その後はメル友に。
「相談したいことがある」と言って会ったはずなのに、なぜかこんなことに…。美穂さんに対して申し訳ない気持ちと同時に、彩ちゃんを愛おしく思う気持ち、守ってあげたいと思う気持ちも大きい。そう、彩ちゃんは見た目の小ささとかじゃなく「この子を守ってあげたい」って思わせるような独特の魅力があるんだよね。きっと僕じゃなくてもいいんだろうし、彩ちゃんを守ってくれるステキな人がきっとどこかにいるんだろうって思う。
でも、心のどこかで「俺じゃなきゃ守ってやれない」なんて言うバカげた思い込みがあったりするのも事実。
「どうしよう…。」
「どうしたらいいだろう…。」
彩ちゃんの可愛い寝顔をみながら、いつの間にかまた寝てしまっていた。

朝、目が覚めるとベッドに彩ちゃんの姿はなく、バスルームからドライヤーの音が聞こえてきた。ガウンを着てバスルームに行ってみると、既に彼女は着替えも化粧も済ませていた。
「あっ、おはようございます。そろそろ起こさなくっちゃって思ってたとこだったんですけど…、二日酔いは大丈夫ですか?」
「うん。昨日はそんなに飲んでないし、スッキリしてるよ。」
「そっか。よかった。もし全然覚えてないって言われたらどうしようって思ってたんです。」
少しはにかんだ彼女の頬が赤くなるのが分かった。
「大丈夫。ちゃんと全部覚えてるよ…。」
でも、逆に全部覚えているってことが辛かったなぁ。「酔っ払ってて、全然覚えてない」って言うのはとんでもなく相手に失礼なことだってことはわかってるけど、ちゃんと覚えてるってことは確信犯だもんね。美穂さんと彩ちゃん。
どうやら僕は自分自身でとんでもない展開にしてしまいました…。